ショパン中毒
ショパン生誕200年ということで今年のクラシック界は 足並みを揃えブーム「ショパンイヤー」を盛り上げている。
先日、清水和音(かずね)のリサイタルを聴いてきた。 音盤で聴いたことはあるが生は初めて。地味ではあるが良い演奏であった。 音楽に真摯に取り組む姿勢に好感をおぼえた。
さて、ショパンはクセになる・・・?
人間失格を書いた太宰治の小説は一般に「ハシカ」とか言われ、一時期むちゅうになって読み漁る。 誰でもそのような青春の一時期を過ごしたことだろう。 ハシカは「一度かかったら二度はかからない」と言われるものだが・・・ ショパンはどうだろう?
20年ほど前にフランソワの全集(LP)を買ったのが私の初の中毒。 何年かに一度の割合でこのショパン中毒は巡ってくるように思われる。 最近はまた毎日ショパンを聴いている。
映画「戦場のピアニスト」でブレイクした「ノクターン20番嬰ハ短調」(レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ※)は ショパンが20歳のときに作曲されたが 生前に発表されることはなく死後に発見された(遺作)。
※ レント コン グラン エクスプレシオーネ (イタリア語による速度記号・発想記号) ゆっくり、大いなる感情をこめて の意味(クラシック音楽ファンのKさんに教えてもらいました)
なぜ生前にショパンが発表しなかったのかは不明である(一説に、余りに甘美なので恥ずかしかったと・・・?)。
「20番」は最新のアルバムには必ずと言っていいほど載っているが、 確かに何回聴いても良い曲である。
「ノクターン」もショパンが名づけたものではなく 後世の音楽家がカテゴライズしたものらしい。 たしかに古い「ノクターン全集」には載っていないことが多い(たとえば大家ルービンシュタインなど)。
余談であるが映画「戦場の・・」の原作者で、 あの実体験をしたシュピルマンは ピアノが弾けたお陰で命拾いもし、戦後の生活の糧も得てきた。
それだけにこの楽器に対する思い入れが強く、幼い息子にもピアノを教えようとしたが息子が関心を示さなかったので無理強いはしなかったらしい。
しかし当の息子が青年期に差しかかったころに 「教えて欲しい」と頼んだとき、普段は穏やかなシュピルマンが 「もう遅すぎる!」と珍しく激昂したと息子本人が語っている。
ちょっと胸が詰まるような気がする 子を持つ親ならシュピルマンの心情がよく理解できる。

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